本+CD 著者: Mark White 40ページ
他のどの楽器のプレイヤーよりもギタリストの読譜能力が低いというのは世界共通のようです。
日本の音楽教育全般においてもどうも読譜については工夫がないように思われ、おかげで音楽の授業が嫌いになってしまった方もいるのではないでしょうか。五線譜を読むという作業は基本的には慣れでしかないので、ちょっとばかり地道な訓練を続ければそう遠い道ではありません。一部の難解と言われる楽曲を例外とすれば、少なくとも「難しい」というものではないはずです。
楽譜を読めなくても良い音楽を演奏することはできます。が、楽譜を読めれば膨大な量の学習材料を利用することができます。下手な教則本などを利用するよりも、譜面から得ることのできるものが「虎の巻」的なことも含めていかに大きいかは楽譜を読める人だけが知ることのできる特権かもしれません。残念ながらTAB譜だけでは極めて限定され、これは叶いません。
ちょっと話のテーマが大きくなりすぎたかも知れませんが、本書は楽譜の読み方を一から教えるような本ではなく、音楽学校に通うようなレベルのプレイヤーが、現実的な対応能力を身につけられるようにプログラムされたものです。
読譜の教則本にありがちな無味乾燥な音楽ではなく、バンドで演奏された以下のような10タイプのグルーヴにチャレンジすることで、学習者が興味を持続できると同時に、実戦的なメロディーやリズムのパターンに慣れることができるように工夫されています。その中にはギタリストならではの要素というものも考慮されています。
読譜の本なので、必ずしも通常の曲のようなテーマやソロではありませんし、いずれも短めのトラックになっていますが、サウンドに変化があったり演奏がよいこともあり十分に聴いて楽しめるでしょう。
@MediumSwing
AFunk/Rock
BFastReggae
CFunk
DBossa
EBop(Jazz Blues)
FShuffleBlues
GFastAfro-bop
HHalf−time "swank"feel
IFastRock/Fusion
当然TAB譜はありませんが、各曲は2度づつ楽譜が掲載され、2度目は使用する弦と指が書き込まれたものになっており、五線譜を見ながら模範的なポジションや運指の情報を得ることができます。
CDは模範演奏に加えマイナス・ワン・トラックも用意されています。