本(TAB譜付)+OnlineAudio 全13曲 56ページ
著者: compiled by Jim Lichens
ギターのスキルや音楽性はもちろんのこと、その人徳の高さで慕われた達人、バリー・ガルブレイスが、彼の生徒の学習のために書いた有名スタンダード曲のアレンジをまとめたもの。基本的にソロ・ギター用のアレンジと考えていただいてよいと思います。
レッスン用ということもあるかもしれませんが、装飾を抑えた、比較的シンプルな、しかしよく考えられた奥深いアレンジになっています。それはJust Jazz Guitar magazine にジム・ホールが寄せた本書のレビューにすべて言い尽くされているでしょう。
『バリー・ガルブレイスは、親愛なる友人であった一方、私の最も重要な先生の一人であった。バリーが私に教えてくれたことのいくつかは、彼がすでに演奏したりレコーディングしているアレンジの譜面を自分がプレイしてみた結果、間接的に学んだものだ。かつて、レコーディングではバリーが演奏したジョージ・ラッセルの途方もなく難しい曲のリハーサルをしていた時、私はただもうあきらめて「僕にはこんなのは弾けないよ!バリーを呼ぶべきだ。」とコンダクター(ガンサー・シュラー)に言ったのだった(あいにくバリーは多忙であった)。
彼から学んだその他のことのほとんどは、より微妙でより重要だと直ちに感じられるものだった。即ち、ギター・サウンドを開放し、歌うために、いかに譜面上のコード・ヴォイシングの音を省略するかということ、いかに譜面のシングル・ラインからもっとフィーリングや前へのノリを得る(そのラインが到着点へと進むのを後押しする)ことができるかということだ。このために実際にする作業は、不必要な音を鉛筆で消すことと、その他いくつかのことを単に示唆するだけであった。バリーはこうしたことを全てやってのけた。そして、私はそこから学んでいったのだ。
時にはバリーとの2ギターでの演奏や、彼との会話の中から学ぶこともあった。
そして現在も私の学習は続いている.....
本書には、バリーのアレンジによる有名ポピュラー/スタンダード曲の驚くべきコレクションが五線譜とTAB譜の両方で収録されている。ForAll We Know、MyFunny Valentine、Ina Sentimental Mood、'RoundMidnight など、これら13曲は、ジャズ・ミュージシャンのレパートリーの核心と言うべき楽曲ばかりだ。さらに本書にはJohnPurse によるクリアな演奏が収められた音源が付属している。
これらの曲からは、必ず何かを学ぶことができるだろう。この文章を書いている今でさえ、私はIn a Sentimental Mood のAメロが出て来る度にバリーがいかに独創的に、また美しくハーモナイズしているかについて考え込んでしまう。私は何百回もこの曲を演奏してきたが、こんな風には思いつかなかった。
'Round Midnight もまたすばらしいものだ。それはテクニック面でも、ハーモニー面でも巨匠の成せる技であり、通常のEフラットではなくギター・フレンドリーなキー、Eで書かれている。
本書は、シンプルにわかりやすく始まり、魅力的な- 複雑で成熟した世界- へと、音楽をとおして人生経験の旅をすることになる。あなたがその旅に出ないと言うなら、私が経験するだろう。』
Jim Hall April 15,2002
本書にはジム・ホールの別バージョンのコメントや、ジョージ・ラッセル、著名なギタリストたちからメッセージが寄せられ、さらにバリーの息子による長文もあって、彼の人となりを知るのにも絶好の書。ぜひあなたもバリー・ファンになってください。
掲載曲:
1. For All We Know
2. Darn That Dream
3. My Funny Valentine
4. Alone Together
5. I Can't Get Started
6. As Time Goes By
7. Have You Met Miss Jones
8. Born to Be Blue
9. Embraceable You
10. You Go to My Head
11. In a Sentimental Mood
12. 'Round Midnight
13. Good Morning Heartache