本(TAB譜付) 80ページ
ジョー・パスの演奏は学習者がお手本とするのにもってこいの素材なので、雑誌で採り上げられたり採譜集が発売されることも多いのですが、どうもヴァーチュオーゾ・シリーズに集中する傾向があって能がないような気がします。
確かにあのソロ・ギターは、かつて彼の独壇場でしたが、個人的には、音楽家としての彼の真価はむしろグループでのソロにあるように思えますし、テクニックやヒラメキについてはIntercontinental やFor Django, Catch Me など、さらに初期のほうがすごいと感じています。とても即興で弾いたとは思えないぐらい、かといって、いくら頭で考えてもあんなふうには弾けないだろうという、時代を考えてもとにかくすばらしいソロで、恐ろしく難しいことを軽ーく弾いてたりするんです。
本書は新旧の録音から選曲されていると同時に(どちらかというと新しめの録音が多い)、スタンダードとオリジナル、ソロとグループというようにいろいろなシチュエーションの演奏が含まれている点が特徴で、国内の採譜集だけでは物足りなくなった方にお薦めできるでしょう。音源を集めるのはちょっとたいへんかも。
収録曲:
1. Blues for Basie
2. Blues for Hank
3. Cheek to Cheek
4. Dissonance#1
5. Happy Holiday Blues
6. I Got Rhythm
7. In a Sentimental Mood (For Django '90)
8. Pasta Blues
9. Satin Doll
10. The Song Is You
11. The Way You Look Tonight
12. Yardbird Suite