DVD 約124分
2001年秋にフィラデルフィアで行われたフィル・ケギーのコンサートDVDです。
教則ビデオは2本ありましたが、ライブ映像が商品化されるのは初めてだと思います。
この夜の客は彼のことをよく知っている人たちなのでしょうか。
コンサートが始まる時点でもうスタンディング・オベーションで盛り上がっています。
先に言ってしまうと「すばらしい!」のひと言。
何がよいと言って、まずいい音楽なんですよ。
全曲フィルのオリジナルですが、曲の質が高い。
演奏のテクニックも質も最高級、ハイ・テクノロジーもふんだんに使われていますが、そもそもプログレッシヴ・ロックをやっていてメカ・オタク的傾向が見受けられる彼にしてみればお手の物。
このコンサートではなんと1曲のインストを除いてすべて歌の曲で(といってもギター弾きまくりですが)、この歌が包み込むようなやさしい声でありながら時にはシャウトして力強く驚嘆するほど上手いのです。
ギター・プレイなんでもござれのオールマイティーぶりはトミー・エマニュエルにもひけをとりませんが、2人の印象はまったく異なります。
トミーがカントリー、スウィング・ジャズ、ロックン・ロールなどアメリカのルーツ・ミュージックの色が強いのに対して、フィルはニュー・エイジ、シンガー・ソングライター、プログレッシヴ・ロック、フュージョンの傾向が強いと言えるでしょう。
歌が多いのと同時に本作品では、フィンガーピッキングが、伴奏には多用されるもののフィーチャーされていないのも意外です。
例によってタッピングやスラッピングなどの特殊奏法がふんだんに出てきますし、サンプラーやシーケンサーを使ったワンマン・バンドには感嘆するしかありません。シュレッド顔負けの速弾きやジャズ・ギタリストもびっくりのかっこいいフレーズ等々、見どころには事欠きません。
究極の弾き語りの研究にも、リード・ギターの研究にも、特殊奏法の研究にも、アコースティック・プレイヤーもロック・ギタリストも、ジャズ・ギタリストも、みんなで見ましょう!
DVDならではの特典映像もあります。
In The Studio では彼の自慢のホームスタジオを紹介し、ギター奏法の解説や多重録音の様子を見せたりします。
Interviews & Insights では、友人、関係者のコメントが色々なエピソードの紹介を含めてあります。
Warm Up & Reharsal ではAll Star Guitar Night でのミューリエル・アンダーソンとのリハーサルの模様、RoadStories ではフィルのバンドおよびKing's X のメンバーであるJerry Gaskill とDoug Pinnick やロード・マネージャーなどの話、これらの中にもあちらこちらにアコースティック&エレクトリックのギター・プレイが挿入されています。
Bonus ではフィルが子供の頃過ごした家の牧場の片隅での弾き語りが見れます。
さらに、映画みたいにオーディオ・コメンタリーを聞きながらコンサートを見ることもできます。
楽曲、イクィップメント、奏法等々、見逃せない情報を仕入れることができます。
本編 約78分、特典映像を含むと約124分
主な演奏曲目:
* Instrumental Intro
* Strong Tower
* Shades of Green
* Salvation Army Band
* What A Day
* Your Love Broke Through
* John the Revelator
* Let Everything Else Go
* Olivia
* You Have My Heart
* Maker of the Universe
* Morning Light
* True Believers
* Spend My Live With You
NG集