DVD 全13曲 45分
これはまた笑ってしまうけどすごいという奇妙なソフトであります。
最初のトラックがWarm-Upsとなっていてどこかのホールの楽屋のようなところで演奏されています。「ああ、ウォームアップだから楽屋なんだ。」と思ったら、続く2曲もその楽屋での演奏。メンバーはフランクに加えJimmy Rosenberg(guitar)、FedricoBritos(Violin)、JoeAscione (Percussion…ブラシで譜面台などを叩いている)。
次に、ホテルの一室と思しき狭いスペースで、2曲はフランクとフェデリコのデュオ、1曲はジミーとフェデリコのデュオ、残りはフランクとジミーの演奏で最後にまたブラシが入るという組合せです。
「おいおい、本番のステージはどうなってるの?」と突っ込みたくなるのですが、最後までこの調子。どうやらカーネギー・ホールで何組かのジプシー・ジャズ・ギタリストたちが集まったコンサートが行われ、その前後に撮影されたようです。おそらくコンサート自体は何らかの制約があって撮影ができなかったのでしょう。でもせっかくの機会だからこの際撮っちゃおうよみたいにしてできたソフトですね。
途中で電話がかかったり、撮影者の(?)指が写ったり、横でデジカメを撮っている人がいたり、曲の途中で始まったりあるいは終わったりとかなりイージーなところもありますが、幸いにも撮影はプロの手によるもののようで、一台きりとはいえカメラワークもしっかりしていますし、音声もしっかり録れています。何より演奏の見事さについてはまったく心配はいりません。
非常に多彩なフランク・ヴィグニョーラは、この手の曲を弾いたときテナー・バンジョー的プレクトラム・スタイルをフィーチャーすることもよくありますが、ここではよりマヌーシュらしいスタイルで演奏をしています。
ジミー・ローゼンバーグは、有名なGypsy Guitar〜TheLegacy of Django Reinhardt というビデオで印象的だったものの(当時一番小さかった子ですね)少ししかプレイを見ることができませんでしたが、ここでは相変わらず左手小指をほとんど使わないで恐るべき高速で弾きまくるところをたっぷり見ることができます。
たぶんコンサートと同じような曲がプレイされていると思うのですが、メンバーの組合せは異なっていると思われ、感じとしては打ち合わせなし、まさにその場限りのジャムという雰囲気が伝わってきます。約45分と若干短めとはいえ、演奏ばかりがぎっしり詰まっていて堪能できるでしょう。
収録曲:
* Warm-Ups 1-3
* Pent-Up House
* Besame Mucho
* Exactly Like You
* Tico Tico
* Czardus
* Nuages
* Besame Mucho
* It Don't Mean A Thing
* Endless Love
* Gypsy Traditional Waltz
* Limehouse Blues
* Dark Eyes