DVD 145分
ニューヨークのクラブSmoke での演奏を2時間25分たっぷり収録したライブDVD。これはこの日の2部構成の演奏曲をそっくりそのまま収録したものと思われ、クローズアップもいっぱいの特等席でじっくりと、しかも繰り返し見ることができる、ファンにはたまりませんなという作品になっております。
ロドニー・ジョーンズはだいたいにおいてジョージ・ベンソン・チルドレン的なひとくくりで紹介されることが多いと思いますが、確かにここでも昔のベンソンを思わせるR&B色の強いプレイを展開しています。ジャズというよりふつうのモダン・ブルースのグルーヴで演奏される曲もあり、ブルース・ファンにも楽しめるでしょう。
この系統のプレイを研究したい方には貴重な材料。多くの曲でテクニックを見せつけるかのように弾きまくっており、そのあたりのリックやニュアンスはやはり通常のブルースのプレイとはまったく違っていてジャズのそれと言っていいでしょう。彼を初めて見る人を驚かすには十二分だと思います。一方バラードを、あえてシンプルに押さえて弾いている数曲は味わい深く、こちらが好みの方もいるはずです。
メルベイ社の一連のパフォーマンスDVDも、撮影や編集に使う機材が次第に向上しているようで、本作は画質やカメラワークなど映像の質もよいし、サウンドのクォリティーも高いように思います。ここでロドニーがメインで使っているセミアコはHeritage のH535だと思いますが、ゴキゲンな音がしています。DVDによってはせっかく高価なギターが登場してもあまりよい音に録られていないこともあったので印象的です。なお「カーニバルの朝」を含む3曲ではフラットトップのアコースティック・ギターを使用しています。
収録曲は全17曲のうち13曲まではロドニーのオリジナル、おなじみのスタンダードが3曲と、ManuDibango のディスコ・ナンバーSoul Makossa という構成です。
バンドはクァルテット編成でメンバーはBrian Charette (Organ)、LonniePlaxico (Bass)、Ray Marchica (Drums)。いずれも脇役タイプの人のようであまり印象に残るソロはとっていません。
収録曲:
* Soup Bone
* Island Wind
* Groove Bone
* Morning of the Carnival
* One Turnip Green
* Day Dreams
* Soul Manifesto
* Serena
* Round Midnight
* Blues for Smoke
* The Journey Home
* Mobius Three
* Stella by Starlight
* Undiscovered Few
* Miss B's Blues
* For Love Alone
* Soul Makossa