DVD 54分
かつてBransonブランドで発売されていたビデオがDVDになりました。ダグラス・ニートはジュリアードに学び、セゴヴィア、イエペス、パークニング、ホルヘ・モレル、オスカー・ギリアといった巨匠たちのレッスンを受けたクラシック・ギタリストであることに違いはないのですが、世間に知られるきっかけになった17歳時の国際コンクールの優勝がチェット・アトキンスの名を冠したものだったり、CDで採り上げる曲、このDVDに収録された曲を見ても、大衆性のある柔らかめのレパートリーが多く、クラシックとポピュラーの中間的な方向性を行くことになっています。
このDVDでは特にその傾向が顕著で、伝統のクラシック・ギター・レパートリーはわずか。ラテン、ブロードウェイ、ジャズと曲目だけ見るととてもクラシックの演奏家とは思えないほどです。ただ趣味的には一昔前、70年代ぐらいの感覚という気がしないでもありません。まあ、1曲1曲が魅力的なので関係ないとも思いますが。
最近ではトミー・エマニュエルのオリジナル曲なども採り上げているようですが、別に売れ線を狙っているとかいうことではなく、これは彼の性分なのだと思います。奏法的な面でもギターのボディーを叩いたり、指のスナップを使ったりとパーカッション・エフェクトがふんだんにあって、ライブでのショーアップという意味でも大きな役割を果たしそうです。
演奏にはその人の人間性が出るものですが、この人はアップテンポな曲を弾いたときにかなりせっかちなところが出ています。ちょうど同じBransonから発売されていた TommyJones なんかと似たような感じですね。ですから私は聞いていて心地よいのはゆったりした曲のほうと感じたのですが、いずれにせよ編曲はとてもよくできているので、そこをチェックするだけでも意味があると思います。本人以上にモレルが編曲したものが多く、師でもあるモレルの影響の大きさが感じられます。モレルの曲集に含まれている曲がけっこうあるので気に入ったらチャレンジできますね。
* El Humahuaqueno (花祭り)
* Jugueteando
* The Bluebird
* Lamento Borincano
* Liano
* Gershwiniana
RhapsodyIn Blue〜Summertime〜ItAin't Necessarily So
〜Bessyou Is My Woman Now〜RhapsodyIn Blue (Reprise)
* Themes from "West Side Story"
IFeel Pretty〜Maria〜America
* Dancers In Love
* Take Five
* Lover
* Cavatina
* Americans Fantasy
* Granada
* Recuerdos De La Alhambra
* Carioca
* Misionera