本 496ページ
留学経験のあるミュージシャンの多くもこの日本語版で学びなおすという
現在を代表するジャズ理論書です。その特徴は豊富な譜例と資料で、ス
ケールやコードの羅列を中心に展開する一般的な本とはまったく異なり
ます。読み始めてすぐに理屈を学ぶというよりは、実際にキーボードなど
の楽器を弾いたり、CD等を探して様々なアーティストや楽曲を聴きなが
ら理論面からジャズという音楽を体感していく書だと気づかれるでしょう。
ジャズ・ミュージシャン待望の理論書
ジャズをプレイする誰もが知っておくべき基本を網羅
ビギナーからプロフェッショナルまで使えるジャズ理論の名著の日本語版
本書は、ジャズ・ミュージシャンの語法が分かりやすく書かれています。
これまでにジャズのハーモニーと理論の学習について、これほど広範囲にわたり書かれた本はありません。
コードとスケール、メジャー・スケールとII-V-I進行、ビバップ・スケール、ペンタトニック・スケール、ブルース、リズム・チェンジ、リハーモナイゼーション、スラッシュ・コード、リード・シートの読み方などについて、偉大なジャズ・ミュージシャンの演奏を、750以上の譜例を参考に詳しく解説しています。
ジャズ・レパートリーなど、実際の演奏に役立つ豊富な資料を掲載しています。
優れたジャズのソロは次のものでできています。
1%の魔法
99%は説明できるもの分析できるもの分類できるものやればできるもの
本書で扱うのは、ほとんどがこの99%に含まれるものです。
1つですべてを説明し尽くせるジャズ・セオリー(理論)というものは存在しません。つまりこれこそが、本書で扱っている問題をジャズの真理ではなくジャズ・セオリーと呼んでいる理由です。唯一の真理は、音楽それ自体だけです。理論というのは、なぜ Charlie Parker やJohn Coltrane があのようにサウンドするのかを理解できるように、何らかの法則を見つけ出そうと、音楽の周りで踊っている思考上のダンスのようなものです。ジャズ・ミュージシャンの数と同じほど、多くのジャズ・セオリー(理論)が存在します。
そうはいうものの、現実に目を向ければ、ジャズ・セオリーの発展には共通した1つの流れ、つまりジャズの最も初期から、Louis Armstrong、JamesP. Johnson、DukeEllington、ArtTatum、LesterYoung、CharlieParker、TheloniousMonk、JohnColtrane、BobbyHutcherson、WayneShorter、McCoyTyner、JoeHenderson、MulgrewMiller、そしてその先に至るまで、論理的に発展してきた1本の糸のようなものが存在するといえます。
これらのミュージシャンは、1人ひとりが用いる用語は異なっていたかもしれませんが、一緒に演奏し、お互いに理解し合うことができたはずです。
Louis Armstrong はDuke Ellington とレコーディングし、Duke Ellington はJohn Coltrane とレコーディングしましたが、彼ら3人は、あたかもその出会いを楽しんでいるかのようにサウンドしています。
かつて、Charlie Parker は「一度チェンジを学んだら、それを忘れてしまえ!」と言いました。ジャズ・セオリーを学ぶにあたっては、最終的な目標は、彼の言葉を借りれば「理論を超越する」ということであることを忘れてはなりません。
あなたがすばらしいソロを聴いている時、プレイヤーは、II-V-I、ブルース・リック、AABA、オルタード・スケールなどということを考えてはいません。彼らはそれを何年も前にすでにすませているのです。経験を積んだミュージシャンは、そのような知識について、まったくではないにしても、ほとんど考える必要がないくらい身につけています。また優れたプレイヤーは、コードやスケールが、自分の楽器上でどのように見え、どのように感じられるかを学んできています。演奏する時には、目が何を見、手が何を感じているかに注意しましょう。意識を知的なことに集中するのと同様にこれを行えば、理論を超越する、つまり、ただ音楽とともに流れていくことができるようになるでしょう。この、もはや理論のことを考える必要がないという境地を目指しましょう。そうなれば1%の魔法を引き出すことも、はるかに容易になるはずです。
このような熟達の域に達するためには、まずは理論について大いに考え、また練習しなくてはなりません。これが99%の部分なのです。
[イントロダクション]より
著者について
Mark Levine は、ConcordJazzのレコーディング・アーティストであり、自分のトリオおよびその他多くのバンドのサイドマンとして、サンフランシスコのジャズ・シーンで活躍しています。現在TheSan Francisco Conservatory of Music、MillsCollege両校の教授を務め、またJameyAebersold、TheStanford Jazz Workshop、JazzCamp West、およびベルギーのBruggeにおけるJazzStudio Campなどのサマー・ジャズ・キャンプで講師を務めています。
[推薦の言葉]
Mark は、またもやすばらしい仕事をしてくれました。ザ・ジャズ・セオリーには、ほとんどの教育的出版物が追求している明瞭さがあります。本書では、誰もが知っておくべきジャズ理論の奥座敷に関して、あますところなく述べ尽くされているようです。最も有益な情報はほとんどが出典に基づいたものであり、それこそが本書の最も重要な点です。本書はジャズ・マスターたちが創り出してきた音楽と直結しているのです。これ以上のものはどこを探してもありません。経験豊かなミュージシャンであっても、本書から得るものがあるでしょう。実にすばらしい偉業です。
Rufus Reid
Mark がまたもやすばらしい仕事をしてくれたことに、音楽界は感謝しています。本書はジャズ・セオリーおよびジャズ・ハーモニーに対する理解を、次の世代へと導いていくことでしょう。
Jamey Aebersold
Mark Levin はまたもやすばらしい仕事を、そして今度は私が目にした中で最も総括的で完全な理論書を創り出してくれました。これは実に使いやすく、また明確で平易に書かれています。本文の内容と直結した譜例が示されており、また直感を刺激してくれる本であり、他のほとんどの理論書には見出せない実用的な提案が多数提示されています。すばらしい仕事です!是非お奨めします。
Richie Beirach
ザ・ジャズ・ピアノ・ブック(TheJazz Piano Book)の時と同様に、Mark は実に完璧な仕事をやってのけ、素材を非常に論理的で読みやすく整理しています。是非お奨めします。
Dave Liebman
待ち望んでいたものがついにやって来ました。洞察に満ちあふれ、また周到に考え抜かれています。
Donald Brown
非常に理解しやすいにもかかわらず、ジャズを始めるために誰もが知っておかなくてはならない基本のすべてを網羅した上に、非常に深いところまで掘り下げ、またより上級のプレイヤーにとっては、アウトサイドでの演奏、リハーモナイゼーション、キーボードの基礎、その他のすばらしい情報が満載された、ジャズ・セオリーおよびジャズ・ハーモニーの本が、ついに出版されました。本書が40年前にあったらと思います。本書はすべてのミュージシャンが持つべきものでしょう。
Bobby Shew
ザ・ジャズ・セオリーは、演奏能力にはかかわらず、すべてのミュージシャンの本棚にあるべき本です。
James Moody
Mark Levine は、またもやジャズ指導書の分野に重要な貢献をしてくれました。ザ・ジャズ・セオリーは非常に利用価値の高い素材を幅広く取り上げています。非常に詳細であらゆる領域にわたっています。さらによい点は、Mark が理論を学ぶのは音楽を演奏し、また創り出すためであるという事実を、決して見失うことがないということです。まさにすばらしい本です。
Jim McNeely
本書は、今日まで私が目にしてきた中で最高のジャズ理論書です。文章全体が会話調になっているので、学習者は、権威主義的な教師に教わるのではなく、まるで友人から学んでいるように感じられます。大したものです!
Earnie Watts
これは私がこれまでに目にしてきたあらゆる種類の本の中で、唯一最高の本と言えるでしょう。これは間違いなくジャズの構造に関する最高の解説書であり、また驚くほど深い内容と、慎重で正確な説明とが調和しています。楽器が何であれ、インプロヴィゼイションを行うすべてのミュージシャンにとって、非常に価値の高い参考書です。
Bass Player Magazine
すばらしい本!
Keyboard Magazine